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法人営業で効率的に案件を獲得する営業プロセスとは

この記事では、

「法人営業で、自分の営業プロセスがなかなか確立できない、どうしたらいいんだろう」

そんなふうに思っている法人営業担当者に向けた記事です。

外資系の大手IT企業を含め、法人営業に20年以上携わり、高いを成果を上げてきた私が思うお客様の意思決定プロセスの概要をお教えしましょう。

1.法人営業で効率的に案件を獲得する営業プロセスとは

法人営業をやっていて、効率的に案件を獲得する、もしくは勝ちパターンを持ちたいとだれもが思うものです。

ところで、あなたは自分なりの営業プロセスを持っていますか?

私は競合に勝つため、そしてお客様にこの営業ちょっと違うなと思ってもらうためにも、自分なりの営業プロセスを持つことが大切だと考えています。

私が考える営業プロセスは、例えば、次のようなものです。

2.まずは自分の扱っている商品、金額から独自のプロセスを描いてみよう

まずは、自分の扱う商品、販売価格からお客様の意思決定プロセスを想像して、それに合わせる形で、自分なりの営業プロセスを作ります。

営業プロセスは、扱っている商品の特徴、販売価格によって変わってきます。金額大きいほど、複雑な営業プロセスになります。安価な商品ほど営業プレセスはシンプルになります。従って、まずは周りの同僚、先輩、後輩含めうまくいっている人から、どんな風な進め方をしているかをヒアリングしてみるのがいいでしょう。

3.営業プロセスの実際、初回訪問

ここからは、販売金額で1,000万円以上のシステムなどの販売を想定したプロセスについて説明します。

まず、初回訪問ですが、この時の主な目的はずばりクオリファイ、つまり案件があるかないかの見極めです。訪問先のお客様にあなたが扱っている商品が、この先半年から1年以内に売れる可能性があるかどうか、それを見極めることに徹します。

多くの営業は初回訪問の重要性を理解できていないケースが多いです。ここで失敗すると、商談が無いにもかかわらず、この先だらだらと何回も訪問するか、もしくは、数回訪問したものの、その後パッタリ連絡が来なくなってしまう状況になる可能性が高いです。

従って、初回訪問では、簡単な製品説明はするものの、しっかりヒアリングを行い、商談があるのかの確認と、この先提案することに合意してもらうことが重要です。

初回訪問については、以下のブログで概要を記載しているので、そちらを参照ください。

4.営業プロセスの実際、ヒアリング

そして、初回訪問で商談があること、そしてお客様の予算があること意思決定プロセスのどのあたりにいるかなど確認ができたら、次回はさらに詳細なヒアリングを行います。

意思決定プロセスについては、以下のブログで概要を記載しているので、そちらを参照ください。

そして初回訪問の終わりに、次回以降の大まかな進め方についても説明をし、相手にその進め方で良いか、合意をとることも忘れないでください。

ヒアリングですが、扱っている製品、その製品が解決できる課題をベースに、あらかじめヒアリングシートを準備します。

ヒアリングシートの中身は、例えば以下のようなものです。初回訪問で聞き漏らしたものを中心に聞いていきます。ヒアリングは、あくまでも概略提案をするための材料となります。

  • 先方の部署の業務内容、今季の目標、解決しなければならない課題、扱っている製品
  • いま、何かシステム、機器などを使用しているか?
  • もし、使用しているとしたら、どのようなものか?
  • いま使用している商品の特徴、何人位で使用しているか?利用者からどのような不満があるか?
  • もし、使用していないとしたら、一番解決したことはどのようなことか?
  • 何年使用しているか?会社の標準的な減価償却期間は?
  • この検討プロジェクトの意思決定スケジュールは?
  • 他にどのような部署が関わっているか?その部署はどのような役割をするか?
  • 予算はどの程度か?
  • どのような競合を評価しようとしているか?
  • この案件のオーナーはだれか?最終的にだれが決めるか?
  • もし、このプロジェクトを進めなかったとしたら、どのようなことが起きるか?困ることはあるか?

そして、ヒアリングの終わりに、次回以降の進め方について確認を行います。具体的には、次回、今回ヒアリングをした内容を基に提案するので、それを聞いてほしいと。

5.営業プロセスの実際、概略提案

ヒアリングが終了したら、それをまとめ、簡単な提案資料に落とし込みます。

提案に含める内容は次のようなものでいいでしょう。上記のヒアリングの中で、お客様から聞いたものになりますので、概略提案はそれをまとめる作業が中心となります。

  • お客様のビジネスの状況
  • 解決すべき課題
  • 弊社のソリューションにより、解決可能な課題
  • 課題を解決することで狙っている効果
  • 概算費用
  • 提案スケジュール

6.営業プロセスの実際、デモ/勉強会

概略提案の提案スケジュールには、デモ、勉強会を含めるようにします。上記のの意思決定プロセスのブログでも説明をしましたが、高額商品を購入する際には、複数の部署、チーム、メンバーが絡んでいます

従って、その部署、チーム、メンバーにも商品を理解してもらうことが重要になりますので、デモ/勉強会などを複数回実施するなどして、商品をそのメンバーに理解してもらい、不明点をクリアにします

このデモ/勉強会を実施するにあたり、お客様側の検討スケジュールを十分考慮した上で提案し、実施することが大切です。お客様が考えるタイミングと異なるタイミングで提案しても、実施することができません。従って、概略提案をした際に、お客様のスケジュールについても確認することがポイントになります。

7.営業プロセスの実際、RFP

こうした高額商品をお客様が購入する際には、コンプライアンス上、コンペが必須になります。コンペはRFP(Reuquest for Proposal)で行うことが一般的です。

RFPは一般的にお客様側で、商品を評価するため、会社、製品の機能、価格、事例など、細かい質問内容を含んだ形で作成され、購入先ベンダーに配布されます。そして、ベンダーがそのRFPに基づき、質問内容を埋めるのと同時に、提案書を作成します。

そして、重要なポイントは、RFPは、プロジェクトの企画担当者が、自分の購入したい商品を選択し、社内で承認を得るためのツールですので、RFPの前までに企画担当者に十分に商品、会社を理解してもらい、さらに何よりも営業が好かれ、大方選択されていることがポイントになります。

RFP作成は、それなりにノウハウが無いと作成するのも大変ですので、お客様の負担を減らすために、RFP作成支援します。

具体的には、商品の検討項目は、商談によってそれほど違わないことも多いため、あらかじめ自社でテンプレートを準備しておき、それをプロジェクト企画担当者にシェアするなど、RFPが配布されるまでただ待っているのではなく、積極的に支援することが、競合に打ち勝つために重要となります。

8.営業プロセスの実際、提案から契約まで

RFPに回答し、そして実際の提案説明となりますが、提案説明で失敗しないようにしなければなりません。

提案説明会は、通常プロジェクト企画担当者が開催し、実際に評価を支援した関連部署、チーム、上長などが参加します。せっかく、ここまでしっかりとプロジェクト企画担当者との関係を作り、入念に進めてきても、この提案説明会で失敗しては何の意味もありません。

そのため、当日発表する提案書に間違いがない無いことをしっかり確認することはもちろん、事前にプロジェクト企画担当者に、当日の参加者、検討ポイント、提案資料内容のレビューなどをお願いしておくことが可能であれば、そうしたことを準備すべきです。

また、もし時間に余裕があるなら、提案書をサマリーした当日の説明会用資料を別に準備することも重要です。理由は提案書には小さな字で細かな内容を記載しがち、提案説明会ではプロジェクターを使って説明することが多く、提案資料が説明にはふさわしく無いからです。

さらに、事前に何度もプレゼンテーションの練習をします。その際に、ビデオで撮影し、チームでそれを見て、修正ポイントを確認するなど、万全の準備を行う様にします。

そして、晴れてコンペを勝ち抜いた先には、契約の獲得と言うシーンが待っています。

私は、商談は売り込みではなく、お客様側プロジェクト企画担当者と二人三脚で、案件を進めることだと思っています。お客様側担当者も、こうした社内プロジェクトを回すことに長けている人ばかりではなく、初めて行うと言う人もいます。

逆に営業は、毎回お客様とこうした作業をしていので、ある意味慣れており、そうした知見をお客様に提供することで、お客様はそれを利用して、社内でうまく立ち回り自分がやりたい案件を実施して、成功して出世していきます。

ですので、法人営業担当者は、お客様側の立場、経験値なども理解して支援してあげるとお客様も喜んでくれることでしょうし、競合との差別化にもつながります。

今回は、法人営業で効率的に案件を獲得する営業プロセスについて説明をしました。ぜひ、参考にして試してみてください!

それでは、新しい人生を切り拓くために、一緒に勇気をもって一歩踏み出しましょう!

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