この記事では、
「法人営業にとって一番大切なお客様の予算計画、それをどうやって捉えたらいいんだろう」
そんなふうに思っている法人営業担当者に向けた記事です。
外資系の大手IT企業を含め、法人営業に20年以上携わり、高いを成果を上げてきた私が思うお客様の意思決定プロセスの概要をお教えしましょう。
1.法人営業で一番大切なこと、それは企業の予算計画を抑えることです。
あなたが営業担当者で、あなたの上司から今の案件進捗状況を報告しろと言われたら、あなたはどう答えますか?
予算はあるか、予算規模は、その根拠は、セールスサイクルのどこにいるか、そのフェーズで必要な適切なアプローチをしているか、コンペはどこか?どのようなレベルの人に会っているか、どのくらいの頻度で会っているか?などうまく説明できますでしょうか?
実際、多くの法人営業マンが苦労していると思います。
なぜかと言うと、お客様の予算計画サイクルとセールスサイクルを合わせて考えなければならないということが理解できていない人が以外に多いことがあげられます。
次回以降、セールスサイクルのパターンについても、おって説明しますが、今回は予算計画サイクルの概念をまずは説明します。
2.法人営業の基礎中の基礎、企業の年次サイクルとは?
まず、自分が勤めている会社の予算サイクルを理解することから始めるとわかりやすいです。
毎年、営業には、営業ノルマが割り当てられます。そして、一年が終わる頃には、達成、未達成など業績が明らかになります。個人の動きは会社の動きに連動していますので、会社も同様に、今年はいくら儲けようと年初に計画を立て、そして、一年が終わったときに締め、一年の業績を評価します。
つまり、会社は年次サイクルで動いているということがわかります。
そして、会社で事業を行うには、当然さまざまなモノが必要です。携帯電話、パソコン、成績を集約するシステム、製品を製造する施設など、さまざまなもモノが必要です。
企業は、年次サイクルで動いていますので、モノを購入するにも、この年次サイクルを考慮する必要があります。
3.法人営業が絶対に知らないといけない予算計画サイクル
企業では、いきなり高額商品を購入することはできませんよね?
たとえば、社内のプリンターが古くて、印刷速度が遅く、仕事に影響が出ていて、買い換えたいような場合。値段が100万円だったら、すぐには購入できませんよね?
どうするかと言うと、会社の予算計画サイクルに含めてもらう必要があります。
企業の予算計画サイクルですが、一般的には次の3つのフェーズからなります。
- 計画書審議 翌年度購入したいモノの概要計画作成および審査
- 予算申請 具体的な計画を申請
- 予算審議 計画を審査し翌年度使える予算を決定
そして、会社の会計期間が4月−4月の場合、計画書審議が始まるのが、だいたい9月頃になります。そして、予算申請が11月頃、そして予算審議が1月〜3月となります。以下の図のようになります。
予算審議で申請していた計画が通ると、そこではじめて4月以降使用できる予算となります。
でも、ここで注意しなければいけないのが、ただ予算として通ったとしても、すぐに使えるわけでは無いと言うことです。
予算が通ったら、今度はその予算を使っても良いか、その予算を使って具体的に何を買って、どう効果をあげるかを説明して、会社に承認を得なければなりません。これを一般的に実行稟議といいます。
さらに、最近は会社のコンプライスも非常に厳しくなってきています。業者との癒着、談合などおきないようにするため、公正な競争が求められます。
したがって、実行稟議をする場合にはコンペが行われることが一般的となっています。
そのコンペを経て、やっと販売、つまり契約ということになります。
4. 予算計画サイクルの重要性
予算計画サイクルの重要性が理解していただけましたでしょうか?高額商品になればなるほど、この予算計画サイクルが重要になっています。
なぜなら、高額承認になればなるほど、会社としてきちんと計画をたてて、役職が上の人の承認する必要になるからです。つまり、会社としてのチェックが入るからです。
この予算サイクルが頭に入ると、自ずと営業活動方法も変わってきます。常に、予算サイクルを意識、今、どこにいるか?予算はあるか?いくら今年は予算をもっているのか?誰が持っているのか?誰がその予算の承認権限をもっているのか?
いかがでしたでしょうか?もし、ぜひ今やっている案件の予算の状況を、上記の説明に照らし合わせてみて、自分の案件がどうなっているかを考えてみてください。
今回は、法人営業で一番大切なこと、予算計画について説明をしました。
それでは、新しい人生を切り拓くために、一緒に勇気をもって一歩踏み出しましょう!